中小企業庁担当者に聞く | 成長加速化補助金
2026年9月18日
最終更新日:2026年9月18日
このページでわかること
- 中小企業成長加速化補助金の概要
- 申請に必要な「100億宣言」、賃上げ要件について
- 審査の流れと審査のポイント
中小企業成長加速化補助金(成長加速化補助金)は、売上高100億円を目指す、成長意欲の高い中小企業の大規模な投資を支援する制度です。
補助金の申請要件の一つに、「100億宣言」を行うことがあります。これは、売上高100億円の目標を掲げ、その実現に向けた取組等について、ポータルサイト上で、宣言・公表するというものです。
今回は、成長加速化補助金の背景や目的等について、中小企業庁の担当者にお話をうかがいました。
売上高100億円を目指した、大胆な投資を後押し
「中小企業成長加速化補助金(成長加速化補助金)」は、売上高100億円を目指す中小企業の大胆な投資を支援する制度です。成長意欲の高い企業を後押しし、地域経済に大きなインパクトをもたらす成長企業「100億企業」を創出することを目的としています。
以下に、その概要を簡単にまとめました。詳細は、必ず最新の公募要領でご確認ください。
中小企業成長加速化補助金の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限額 | 5億円(補助率1/2) |
| 補助対象者 | 売上高100億円を目指す中小企業(売上高が10億円以上100億円未満であること) |
| 補助事業の要件 |
|
| 補助対象経費 | 建物費(拠点新設・増築等)、機械装置費(器具・備品費含む)、ソフトウェア費、外注費、専門家経費 |
| 補助事業期間 | 交付決定日から14か月以内~24か月以内 |
成長加速化補助金の大きな特徴は、「100億宣言」を行っていることが補助事業の要件となっている点です。
その背景には、中小企業庁が設置した有識者会議「中小企業の成長経営の実現に向けた研究会」の提言があります。
提言では、日本経済の持続的成長のためには、地域経済を牽引する「100億企業(売上高100億円規模の企業)」を創出することが不可欠であり、そのためには、成長志向の経営者を増やし、その成長を後押しすることが必要であることが示されました。
経営者が成長志向を明確に示すための施策が「100億宣言」であり、その成長を支援する制度が「成長加速化補助金」です。
両者は不可分であり、「100億企業成長ポータル」には、100億宣言と成長加速化補助金の公募要領が掲載されています。
わかりやすく解説中
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- 中小企業庁担当者から一言
補助金制度には、政策目標に沿ったテーマが設定されています。成長加速化補助金のテーマは、「100億企業への成長」であり、このテーマに基づき、補助対象経費の範囲が広く設定されています。
たとえば、工場や物流拠点の新設・増築に係る建物費も対象であり、売上高100億を目指す、柔軟かつ戦略的な投資が可能になっています。
コラム
- 中小企業が、野心的な目標を掲げ、公表する「100億宣言」
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100億宣言は、中小企業が売上高100億円という野心的な目標を掲げ、その実現に向けた取組を宣言する仕組みです。申請要領や宣言のフォーマット(A4判・1枚程度)は、100億企業成長ポータルに掲載されています。
100億宣言記載事項
- 企業概要(足下の売上高、従業員数等)
- 売上高100億円実現の目標と課題(売上高成長目標、期間、プロセス等)
- 売上高100億円実現に向けた具体的措置(生産体制増強、海外展開、M&A等)
- 実施体制
- 経営者のコミットメント(経営者自らのメッセージ)
100億宣言の目的は、中小企業が成長ビジョンを明確にすることで飛躍的な成長を促すことです。また、宣言は100億企業成長ポータルで公表され、宣言企業の取組を「見える化」することで、中小企業の加速的な成長に向けた機運の醸成を図ります。
- 100億宣言企業のメリット
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100億宣言は、成長加速化補助金の申請予定がない中小企業(宣言の掲載申請条件は、売上高10億円以上100億円未満の中小企業)も、宣言が可能です。成長加速化補助金への申請要件となるほか、以下のようなメリットがあります。
- 経営強化税制の拡充(税制優遇※別途要件あり)
- 100億企業創出経営者ネットワークへの参加
- 公式ロゴマークの使用(名刺やホームページ等への掲載)
- 100億宣言企業を対象とした支援情報の提供 など
成長投資で稼ぐ力を高めて、持続的な賃上げを実現
成長加速化補助金では、積極的な投資によって中小企業の「稼ぐ力」を高め、その成果を従業員に還元するため、「賃上げ要件」が設けられています。
第3次公募では、補助事業の完了年度を「基準年度」とし、その3事業年度後までに、従業員1人当たり給与支給総額を年平均4.5%以上増加させる目標を設定することが求められています。
申請時に設定した賃上げ目標を達成できなかった場合は、補助金の全額または一部の返還を求められる場合があります。
また、この賃上げ要件に加え、直近の決算期から補助事業の完了年度(基準年度)までに実施する「足下の賃上げ」についても、審査で評価されます。少なくとも、従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が物価上昇率を上回る水準に達しない計画は、審査上、大幅に不利となります。
計画の策定にあたっては、成長投資による稼ぐ力や収益力の向上と整合する、持続可能な賃上げ計画を立てることが重要です。
なお、補助金の要件等は、公募回や公募年度によって変更される場合があります。申請にあたっては、必ず最新の公募要領等をご確認ください。
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- 中小企業庁担当者から一言
賃上げへの取組は、制度上の要件を満たすだけでなく、地域経済への波及効果という観点からも重要です。
企業の成長の成果を従業員に還元し、消費の拡大や地域経済の活性化につなげるなど、企業と地域社会の持続的な発展に貢献する前向きな取組が期待されています。
投資計画では、成長のポテンシャルと実現性を重視
成長加速化補助金では、今後5年間程度を見据えた「投資計画書」の提出が求められます。投資計画書のフォーマット(申請様式)や公募要領などは「100億企業成長ポータル」でご確認ください。
投資計画書は、審査基準の観点「経営力」「波及効果」「実現可能性」の3つの項目で構成されています。
- 「経営力」では、売上高100億円の実現に向けた中長期的なビジョンや、外部環境(市場・顧客動向など)、自社の経営資源についての分析が求められます。また、投資によって生み出した利益を従業員へ還元する、持続可能な賃上げ計画も評価されます。
- 「波及効果」では、域内仕入れの拡大、地域雇用の創出、サプライチェーンへの効果など、地域経済や関連事業者に与える効果が評価されます。
- 「実現可能性」では、投資計画を実行するための経営体制や財務状況、金融機関の支援姿勢などについて記載します。
よくあるご質問の一つに、「5年間で売上高100億円を達成しなければならないのか」というものがあります。売上高100億円は、あくまで中長期的なビジョンであり、投資計画書において「5年後の売上高100億円の達成」を必須目標とする必要はありません。現時点の売上高が10億~20億円の企業が、5年後に40億~50億円を目指す計画も評価の対象となります。
現在の売上高が100億円に近い企業ほど有利になるとは限りません。現在の企業規模だけでなく、成長への意欲や成長可能性(ポテンシャル)、目標を実現するための具体的な戦略などが重視されます。
審査は、まず書類による1次審査が行われ、通過した企業を対象にプレゼンテーション審査を実施します。この審査では、経営者等が、審査員(外部有識者)の前で、投資計画のプレゼンを行います。ここでは、提出書類の内容だけでなく、経営者の成長に対する意欲や熱意、リーダーシップなども審査されます。
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- 中小企業庁担当者から一言
第2次公募結果概要
(中小企業成長加速化補助金 3次公募概要資料)によると、採択者の売上成長率・付加価値増加率・労働生産性成長率は、いずれも全体平均を上回っています。
一方、直近決算期の売上高は、採択者が平均27.6億円(中央値20.5億円)であるのに対し、申請者全体では平均33.9億円(中央値26.9億円)となっています。
この結果から、現在の売上規模だけでなく、今後の成長余地や成長戦略の具体性・実現可能性が審査で評価されたことがうかがえます。
公募締切の5営業日前までに、早めの申請を
成長加速化補助金の申請では、「新事業進出・ものづくり補助金」等の事業計画書と比べて、より詳細な投資計画書の作成が求められます。
また、申請は電子申請システム「Jグランツ」を通じて行うため、事前に「GビズIDプライムアカウント」を取得する必要があります。アカウントの取得には、2週間程度かかる場合があります。
加えて、成長加速化補助金では、申請要件として「100億宣言」の公表が求められます。100億宣言がポータルサイトに登録・公表されるまでには、通常2~3週間程度かかります。不備がある場合や申請が集中する時期には、さらに日数を要する可能性があるため、ご注意ください。
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- 中小企業庁担当者から一言
公募締切日の5営業日前までに申請書類を提出すると、事務局による不備の事前チェックを受けることができます。不備が確認された場合は、修正・再提出が可能です。余裕を持って、早めに申請することをおすすめします。
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