どうする?「販路開拓」~中小企業・小規模事業者の販路開拓のすすめ方~
- 2021年07月28日
- その他情報
- 最終更新日:2021年09月07日
販路開拓とは、製品やサービスの新しい販売先・新しい顧客を見つけることです。もちろんいまの顧客は大切ですが、新しい顧客を獲得することができなければ、売上は先細りしてしまうことが考えられます。企業が持続的に成長するためには、つねに販路開拓の努力を続けなければなりません。
ここでは、中小企業・小規模事業者が販路開拓を進めるにあたって、覚えておきたい基本的な知識について紹介します。
新型コロナの感染拡大により、テレワークをはじめ、ビジネスのオンライン化が一気に進みました。中小企業・小規模事業者の販路開拓でも、インターネットの活用は欠かせなくなっています。まずは、オンライン販路開拓のポイントについてご紹介します。
①自社のホームページの開設
販路開拓ツールとして、ホームページは欠かせません。インターネット検索から新規顧客の獲得につながることもありますし、パンフレットやチラシのURLや二次元バーコードからホームページに誘導し、詳細な情報を提供することもできます。
高度な使い方になりますが、各ページの閲覧数から顧客の興味を把握したり、資料ダウンロードの履歴から見込み客を見つけたりすることも可能です。
自社ホームページの開設で大切なことは、頻繁に更新し、最新の情報をタイムリーに発信することです。どんなに優れたデザインだとしても、更新されないホームページは、販路開拓ツールとしては失格です。
最近は、専門知識がなくてもホームページが簡単に、無料・格安でつくれるアプリもあります。ホームページを開設する場合は、開設後の更新のことも考えて、作成するようにしましょう。
「ホームページ作成」アプリなど、中小企業・小規模事業者の向けのアプリが紹介されています。
②SNS発信による情報発信
Twitter・Facebook・Instagram・LINEなどのSNSを活用する企業も増えています。とくにホームページを自社で更新するのが大変な場合は、ホームページにSNSを表示させて、最新情報やニュースは、SNSで発信する方法もあります。
販路開拓ツールとして考えると、SNSは発信する情報に興味を持っているフォロワーを増やすことで、顧客開拓につなげることが可能です。
またLINEの機能(ビジネスアカウント)を使って、クーポンを発行することで、販路開拓につなげているケースもあります。
③ネットショップの開設
オンラインによる販路開拓として最初に頭に浮かぶのは、ネットショップ通販かもしれません。
ネットショップには自社独自でアプリなどを利用してネットショップを開設する方法と、複数店舗が集まったショッピングモールに出店する方法の二つがあります。
集客力のあるショッピングモールは販路開拓の大きな武器になりますが、初期費用・月額使用料・売上手数料等がかかります。これらの費用はショッピングモールによって異なるので、モールの出店に際しては運用コストをきちんと計算し、採算が合うかどうかを考える必要があります。
また、ファッション・ハンドクラフト・オフィス用品など、ショッピングモールによって得意とする分野は異なります。自社の製品・サービスにあったモール選びをすることが大切です。
④ビジネスマッチングサイトの利用
ビジネスマッチングサイトは、「製品やサービスを提供する企業」と「それ必要とする企業」をつなげるサイトです。
ネットショップが、主に一般消費者を対象とした「B to C」の販路開拓だとすると、ビジネスマッチングサイトは、法人を対象とした「B to B」の販路開拓のツールです。
ビジネスマッチングサイトは、IT、機械、部品、建材などの分野ごとに開設されていることが多く、自社の製品・サービスにあわせたサイトを選ぶことが大切です。
また、県や市町、経済団体などが開設したビジネスマッチングサイトもあります。たとえば、中小機構には「J-GoodTech(ジェグテック)」というサイトでは、2万社以上の中小企業が登録し、国内外のビジネスマッチング情報を提供しています。
中小機構が運営するマッチングサイトです。各企業のニーズ情報(求める製品・技術等)が掲載されています。
オンラインを活用した販路開拓が注目を集めていますが、実際に顔があわせることで、信頼関係や絆は強まります。ここでは、オフラインの販路開拓方法について考えます。
①展示会・見本市への参加
展示会・見本市への参加は、直接的な販路開拓につながります。同じ業種の企業や同じテーマの製品・サービスを集めた展示会・見本市が多いので、効率的なマッチングが期待できます。
自社ブースを展示会に出展するだけでなく、興味のあるテーマ・業界の展示会を訪れ、業界のトレンドや新製品の情報等を収集することも、販路開拓につながります。ブース出展の前に、様々な展示会・見本市を訪れてみて、いろいろなブースを回ってみましょう。
②ビジネスマッチングイベントへの参加
経済団体や金融機関等で開催している「ビジネスマッチングイベント」への参加も、販路開拓につながります。
マッチングイベントは、異業種の企業を集めて開催しているイベントが多いため、意外なビジネスチャンスや潜在的なマーケットの発見につながることがあります。
展示会と同様にブース出展だけなく、来場者として参加することも販路開拓には有益です。
③取引先・金融機関等からの紹介
既存の取引先・金融機関等からの紹介は、即効性のある販路開拓と言えます。ただし、日頃からの信頼やコミュニケーションが重要です。
また、自社の強み(他社との違い)が取引先や金融機関等にきちんと伝わっていないと、なかなか販路開拓にはつながりません。日頃のコミュニケーションのなかで、自社の強みを整理して伝えておくことが大切になります。
販路開拓の専門家の活用
オンライン・オフラインの販路開拓について紹介してきましたが、ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源に乏しい中小企業・小規模事業者にとって、自社の力だけで販路開拓、とくに新分野の販路開拓を行うことは、なかなか大変です。このような時は、公的な支援制度を活用することも一つの方法です。
たとえば、国の無料の経営相談所である「よろず支援拠点」では、販路開拓アドバイスや販路開拓の専門家派遣などを行っています。専門家に相談することで、社内だけでは思いつかなかった販路開拓の良い方法が見つかるかもしれません。
また中小機構では、優れた新製品・新技術・新サービスをもつ中小企業・小規模事業者の販路開拓をサポートする「販路開拓コーディネート事業」を行っています。これは、販路開拓の専門家(販路開拓コーディネーター)が、マーケティングの企画、テストマーケティング、売上拡大のためのフォローアップまでをサポートし、新たな市場開拓につなげる制度です。
よろず支援拠点、専門家派遣(中小企業119)などで、販路開拓のアドバイスを受けることができます。
中小企業・小規模事業者の販路開拓を、専門家が企画段階から支援します。
販路開拓のための補助金活用
ホームページの制作、ネットショップの開設、展示会の出展、商談会への参加など、小規模事業者や個人事業主の販路開拓を支援する代表的な補助金に、「持続化補助金」があります。
持続補助金は、事業者が作成した事業計画に基づいた販路開拓の取り組みにかかる経費の一部を支援する制度です。事業計画には、自社の製品やサービスの強み、販路開拓の方法、販路開拓する市場(ニーズ・商圏・金額等)などを記載します。
商工会、商工会議所等のアドバイスも参考にしながら、事業計画を作成することで、販路開拓のための戦略が明確になるというメリットもあります。
小規模事業者が事業計画を作成し、その計画に沿って行う販路開拓の取組等を支援します。
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