マンガでわかる「GビズID」
「GビズID(gBizID)」という言葉を聞いたことがありますか?
GビズIDを使うと、補助金の「電子申請」だけでなく、様々行政サービスを受けることができるようになります。今回は、そんなGビズIDの概要についてご紹介します。
GビズIDとは何か?
GビズIDは、法人(個人事業主も含む)のための「共通認証システム」です。1つのGビズIDアカウントで、複数の行政サービスを利用することができます。たとえば、ものづくり補助金やIT導入補助金などの申請、経営力向上計画や事業継続力強化計画などの認定申請、社会保険の手続き、飲食店の営業許可申請などが、インターネットからできるようになります。2020年11月からは、e-Gov(電子政府の総合窓口)の電子申請サービスも、GビズIDで利用できるようになりました。利用できる行政サービスは、年々広がっています。
「電子申請」と聞くと、難しそうで二の足を踏む人も多いと思います。しかし、ものづくり補助金・IT導入補助金・事業再構築補助金などの申請に電子申請は欠かせません。これからの企業経営に、電子申請は欠かせないものになるはずです。
この機会に、GビズIDについての理解を深め、積極的に活用していきましょう。
電子申請のメリット
「電子申請」とは、インターネットを利用して、補助金の申請や手続きの届出をする方法です。GビズIDについて説明する前に、まずは「電子申請」のメリットについて整理してみました。
①いつでも・どこでも手続きができる
インターネットを利用するため、24時間365日自宅でも職場でも、申請や手続きが可能です。(サーバーのメンテナンス等により休止する場合もあります)
②時間やコストが削減できる
書類を提出するために役所等に移動する時間や交通費が不要になります。また、書類を送るための切手代などもかかりません。
③情報の入力の手間が削減できる。
過去の申請などで入力した情報(企業概要や財務情報など)を、何度も使う(自動転記)ことができ、入力の手間を省くことができます。
④書類にハンコが不要になる
ログイン時の認証機能で申請者を確認するので、書類に押印する必要がなくなります。
GビズIDのアカウントについて
GビズIDは3種類のアカウントがありますが、補助金の電子申請などには「 gBizIDプライム」が必要になります。
gBizIDエントリー
GビズIDサイトで「即日発行」できるアカウントです。GビズIDマイページや行政システムにログインができるようになります。
gBizIDエントリーからgBizIDプライムに変更する事が可能です。gBizIDプライムへの変更の際は、書類審査が必要となります。gBizIDエントリーのマイページで「gBizIDプライムに変更する」から申請書を作成印刷し、印鑑(登録)証明書と同一の印鑑を押印の上、印鑑(登録)証明書と申請書を併せて郵送してください。その後審査が完了するとGビズIDから審査完了のメールが送信されます。
(なお、gBizIDエントリーとgBizIDプライムを同時に保有できませんのでご注意ください。)
gBizIDプライム
法人代表者や個人事業主のアカウントです。本人確認後にアカウントが発行されます。補助金の申請などには、gBizIDプライムのアカウントが必要です。
プライムアカウントは、印鑑証明書と登録印鑑を押した書類を運用センターに郵送して、2~3週間で発行されます。補助金の申請などを考えている場合は、事前に準備しておきましょう。
gBizIDメンバー
gBizIDプライムのアカウントをもつ法人や事業者の従業員用のアカウントです。従業員に書類を作成してもらう時などに使用することができます。
gBizIDプライムが許可したサービス(書類作成など)のみ利用できます。
GビズIDでのログイン
行政システムへのGビズIDでのログインは、多くの場合、①行政システム(サイト)にログイン→②GビズIDサイト(認証)→③行政システム(サイト)のように、ページが遷移(サイトを移動)します。
ログインに際して、gBizIDプライム(gBizIDメンバー)は、ワンタイムパスワードが必要になります。
ワンタイムパスワードとは
近年、IDとパスワードが流出して、第三者に不正利用されるケースが増えています。gBizIDプライム(メンバー)は、セキュリティを強化する目的で、ワンタイムパスワード(一回限り・時間制限ありの使い捨てパスワード)を導入しています。
gBizIDプライム(メンバー)でログインすると、アカウント作成時に登録したスマートフォン・携帯電話のショートメール(SMS)にワンタイムパスワード(6桁の数字)が届きます。このワンタイムパスワードを入力すると、行政システム(サイト)にログインができるようになります。
スマホアプリで、ワンタイムパスワードが不要に
GビズIDの認証用アプリを使うと、ワンタイムパスワードの代わりに、アプリの「認証する」ボタンをクリックするだけで、行政システム(サイト)にログインができるようになります。ワンタイムパスワードの入力が不要になり、便利です。
※アプリ認証は、1端末につき1アカウント限りです。
GビズIDでミラサポplusが便利に
ミラサポplusは、ログインしなくても事例を探す(事例ナビ)、経営のヒントなどの基本機能を使うことができ、様々な情報アクセスできます。しかし、会員としてログインすると、さらに便利な機能を利用することができます。
①メールアドレス認証・SNSアカウント等でログイン
ミラサポplusは、メールアドレス認証、Google・Facebookのアカウントで会員としてログインすると、以下の機能が利用できます。
- ・登録情報に合わせておすすめ情報を表示(パーソナライズ表示)。
- ・各種記事を「お気に入り」に登録
- ・ミラサポの更新情報をメール(停止も可能)
- ・非財務情報:業務フロー・商流・4つの視点(ロカベンの非財務情報)の利用
②GビズID(プライム・エントリー・メンバー)でログイン
上記の機能に加えて、GビズIDアカウント(プライム・エントリー・メンバー)でログインすると、「事業財務情報」、「非財務情報」、「BIレポート」を利用することができます。
事業財務情報
電子申請にあたって入力が必要になる、企業・個人事業者の基本情報や財務情報等を管理する機能です。CSVデータなどから、データを取り組むこともできます。
※事業再構築補助金では、電子申請サポートの「事業財務情報」のページをPDF出力することが求められています。
非財務情報:BIレポート
事業財務情報に入力された財務情報をもとづいた財務分析結果を表示します。非財務情報の「業務フロー・商流・4つの視点」も記載すると、企業の健康診断ツール「ローカルベンチマーク(ロカベン)」を作成できます。
機能 | メールアドレス認証・Google・Facebook | GビズID |
---|---|---|
お気に入り登録・管理 | ○ | ○ |
おすすめの事例 | ○ | ○ |
人気の補助金・給付金 | ○ | ○ |
事業財務情報 | × | ○ |
BIレポート | × | ○ |
非財務情報 > 業務フロー | ○ | ○ |
非財務情報 > 商流 | ○ | ○ |
非財務情報 > 4つの視点 | ○ | ○ |
データを電子申請に利用するなら、gBizIDプライムが必須
「事業財務情報」、「非財務情報」、「BIレポート」を、ミラサポplusのサイト上で利用することは、gBizID(エントリー・メンバー)
でも可能です。
ただし、補助金の申請などに、ミラサポplusのデータを利用するには、「gBizIDプライムのアカウント」が必要です。
ミラサポplusのデータを利用して各種申請を予定している場合は、必ずプライムアカウントを取得するようにしてください。
GビズIDでミラサポplusにログインする際の注意
ミラサポ plus 会員として登録したメールアドレスと G ビズ ID が同じ場合、会員登録は不要です。そのまま G ビズ ID でログインしてください。
ミラサポ plus 会員に未登録の G ビズ ID でログインする場合は、G ビズ ID のメールアドレスを使ってミラサポ plus の会員登録をしてください。
GビズIDで利用できる、主な行政サービス
いままでは法人・個人事業者の確認手段として電子証明書の取得(有料)が必要でした。しかし、GビズIDを取得すること(無料)で、電子証明書がなしで電子申請が可能となります。
現在、GビズIDアカウントで利用できる行政サービスは拡大中であり、今後も広がる見込みです。早い段階でのGビズIDの取得をおすすめします。
なお、行政システム(行政サービス)にGビズIDでログインする場合は、基本的に、①行政システム(サイト)にログイン→②GビズIDサイト(認証)→③行政システム(サイト)のように、ページが遷移(サイトを移動)します。また認証の際、gBizIDプライム(メンバー)はワンタイムパスワードが必要になります。
jGrants(経済産業省・補助金申請システム)
補助金の申請から、申請後の手続きまで、すべてのプロセスをデジタル化した経済産業省の補助金申請システムです。過去に申請した時の入力情報を自動転記することができるため、補助金作成が便利になります。
社会保険手続きの電子申請(日本年金機構)
社会保険の手続きを電子申請で行うことができます。日本年金機構のページでは、「届書作成プログラム」の提供や利用方法などについて紹介しています。
DX推進ポータル(経済産業省 独立行政法人情報処理推進機構)
企業のDX推進のための支援サイトです。DX推進指標による自己診断、DX認定制度への各種申請手続きなどが行えます。
経営力向上計画申請プラットフォーム(経済産業省 ほか)
中小企業者等による、経営力向上計画等の申請や報告の作成・手続きをサポートするサイトです。経営力向上計画を認定された事業者は税制や金融の支援等が受けることができます。