ウィズコロナ時代、中小企業の姿勢・考え方はどのようにすべきか。
新型コロナウイルスの感染拡大は、全国の中小企業に深刻な影響を与えています。先行きが不透明であり、出口が見えない状況です。
このようななかで、中小企業がどのような姿勢・考え方でウィズコロナ時代に対応するべきかについて、日本銀行の支店長を歴任し、地域の中小企業経営者と親交を深めてきた、ローソン銀行執行役員の秋山 修氏にお話しをうかがいました。
秋山 修(あきやま・おさむ)
1985年、日本銀行に入行。松山支店長、静岡支店長、政策委員会室審議役、福岡支店長を歴任。2017年6月より、ローソン銀行執行役員。
Q1:新型コロナウイルスが中小企業に与える影響について
地域を支える中小企業には、他にない独特の技術をもつ企業、その地域ならではの企業群の強みを発揮されている企業が数多くあります。
しかし、大企業に比べて人員が少なく財務基盤も十分でないケースが多いため、間接部門への資源の投入が難しいという悩みを抱える経営者の方も少なくありません。
新型コロナウイルス感染拡大の企業経営に与える影響は、業種や事業領域によってまちまちだと思いますが、それぞれの企業の技術や営業力といった、いわゆる企業の「本業」とは異なる部分でも様々な対応が求められています。これは、中小企業にとって、相当な負担になっているのではないでしょうか。
Q2:ウィズコロナの時代、中小企業に求められるものは
ウィズコロナの時代にあって、企業はテレワーク、ソーシャル・ディスタンス、ニュー・ノーマルなど、様々な状況への即応が求められています。そうしたなかで重要なのは、「補完と連携」です。
中小企業がその独自の技術や営業力を活かして業務に邁進しながら、本業ではない新型コロナウイルスへの対応を進めていくのはなかなか難しい面があります。このため、こうしたノウハウは、外部に求めることが多くなります。外部のノウハウで自社の事業を「補完」していくことが、企業経営にとって、ますます重要になると感じています。
また多くの中小企業は、人材や財務基盤の制約から、コロナ対応等を担当する間接部門に力を割くことができません。一方、コロナ対応は多くの中小企業が悩む共通の課題です。だとすれば、複数の中小企業がコロナ対応に共同して取り組む「連携」も重要な選択肢になってきます。
「補完と連携」。よくよく考えるとこの二つは、コロナ対応に限らず、中小企業の様々な事業分野に応用可能なことかもしれません。コロナ対応を機に、企業経営全般をそうした観点から再チェックしてはいかがでしょうか。
Q3:これからの中小企業支援に大切なことは
新型コロナウイルスの影響として、まず考えられるのは売上減です。当然のことですが、これに対する支援は喫緊の課題です。
しかしながら、コロナの影響が長引く場合、売上減の支援だけでは先が見えません。「新たな日常」を前提にした、新分野への進出や転換を促すことも重要になってきます。
多くの中小企業は独自のノウハウや競争力を持っていますので、その潜在力がどういう分野に応用できるのか、客観的な目で一緒に考えていくようなサポートが必要だと思います。
ウィズコロナで売上への影響を受けにくい業種・業態であっても、コロナ対応をしながら事業を継続していくことは大変です。この点については、先ほどお話した「補完と連携」を促すような支援策が重要になってくると思います。
具体的には、行政による補助金もあるでしょうし、金融機関による金融面でのサポートや助言もあるでしょう。様々な支援策があるなかで、中小企業に求められるのは「支援を待つ」受け身の姿勢ではなく、日頃から支援策に関心を持ち、「積極的に自らアプローチしていく」姿勢です。
その点からも、「ミラサポplus」のようなサイトを活用することは、有意義なことだと思います。
Q4:その他、経営者に伝えたいことは
コロナ禍が「いつまで続くのか」と思っていたら、「いつまでも続くのでは?」といった状況に変わってきてしまいました。「アフターコロナ」の時代に備えていたら、どうやら時代は「ウィズコロナ」に向かっているようです。だとすれば、腰を据えたコロナ対応を考えざるを得ません。
多くの中小企業にとって、全てを自社で賄うことはなかなか難しいのが実情です。苦境を乗り切るためのパートナー、ともに道を歩む連携先、そして金銭面でのサポートとなる補助金。こうしたものをうまく使って、自社のノウハウや競争力を守り抜けば、地域や社会に貢献し続けることができると思います。
日本銀行時代には、数多くの尊敬できる中小企業の方々にお会いしました。いまコロナの荒波に揉まれて苦労されている企業も多いかもしれません。いろいろなサポートを積極的に活用し、他の企業や支援機関との連携を深めながら、これからも地域に社会に貢献していっていただきたいと心から願っています。
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