vol.9 小規模事業者持続化補助金 6名の採択者
「小規模持続化補助金」を活用している6名の事業者の方から、申請にあたってのポイントや、使いみちなどをうかがいました。
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小規模事業者持続化補助金がきっかけとなり、ビジネスが様々な形で広がる
所属する龍ヶ崎市商工会で開かれたセミナーで「小規模事業者持続化補助金」のことを知り、応募してみようと考えました。
これまで2回「小規模事業者持続化補助金」に応募しているのですが、1回目はスマートフォンサイトの作成に活用し、売上を伸ばしました。 2回目は大手出版社の音楽業界誌への広告出稿費として活用しました。
音楽業界誌では広告出稿の打合せを重ねる中で、広告とは別に、実績のあるピアニストの方に弊社のピアノシューズを紹介していただく企画が持ち上がりました。そのピアニストの方とピアノシューズ開発者である私の対談記事が、今後掲載される予定です。「小規模事業者持続化補助金」が起爆剤となって、様々な方面への広がりが生まれたと感じています。
申請書類を作成するにあたっては、とにかく数値を具体的に書いてみました。専門家たちのアドバイスを受けて自分で考え練り直す、という作業を繰り返し、綿密に事業計画を立てたことが採択につながったと思います。
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チラシやパンフレットの作成に活用
5年ほど前に他の補助金を使った経験があります。当時は手続きなどの煩雑さから、「もう二度と補助金はとらない」と思っていました。
そんな補助金アレルギーの私が「小規模事業者持続化補助金」に応募したのは、中小企業診断士の先生から「小規模事業者持続化補助金は、簡単で使いやすいので絶対に応募すべき」と勧められたことがきっかけでした。果たして本当に「簡単」にとれるのか、自分のように文章を作るのが苦手な人間でも大丈夫なのか、と半信半疑ながら応募したのですが、無事採択されました。
「小規模事業者持続化補助金」は、広報関係のツール、例えばチラシやパンフレットなどを作成する際に活用しました。簡単で金額的にも使いやすい補助金なので、他の皆さんにもぜひお勧めしたいと思います。
申請が通ったポイントは「書類の作りこみ」だと感じています。いかに書類を見る人がイメージしやすく、矛盾の無いストーリーになっているか、という点ではないでしょうか。
私の場合は商工会の経営指導員から、客観的な視点でアドバイスを受けたおかげで無事作成することができました。 -
ホームページ作成で、新たな顧客の獲得につなげる
奈良県の商工会青年部やミラサポの情報から「小規模事業者持続化補助金」の事を知りました。
包装資材の卸を行っており、それまでは、一般企業を対象に販売していたのですが、包装資材をネットで購入する一般ユーザーやネットショップを運営されている方などに販路を広げる為に、ホームページの必要性を感じていました。そうした中「小規模事業者持続化補助金」の存在を知り、自分の理想を実現する為に最適な補助金だと感じ、申請しました。
この補助金を使って出来上がったホームページは、多くの人から「見やすい」「わかりやすい」という声をいただいております。「小規模事業者持続化補助金」は50万円と少額なので、その分使いやすい補助金だと感じています。
申請時に意識した点は「しっかり自分や自社を見つめ直し、細かく、相手に対してわかってもらえるよう書類に書き表す」ことです。とにかく説明をわかりやすく書くことを心がけました。
普段なかなか、そうしたことを文章として書き出す機会はなかったので、最初は戸惑いましたが、商工会の経営指導員の方と相談しながら、今までの自分のこと、会社のことを見つめて強み、弱みを書き出しました。この経験もその後に活かされていると思います。奥村 直幸さん(コラボ 代表)
平成16年(2004年)に創業。段ボールを中心とした梱包資材を取り扱う。
►コラボ
念願の機械を導入し、外注作業の多さを解消
商工会での講演を聞いて、自社の決算書に向き合った時に「うちの会社は外注が多い」という事に気がつきました。従業員も「この作業は外注」と当たり前のように認識しているところがあり、自分たちには技術があるのに外注が多い、という状況はすごく悔しく、勿体ないと感じていました。
なぜ外注に出すのか、何がうちの会社に足りないのかを考え、行き着いたのは「技術はあるのだから機械があれば解決するのではないか。そのためにも必要な機械を導入したい」という思いでした。商工会から「小規模事業者持続化補助金」を紹介された時に「これはうちの会社にとって良い」と感じ、機械を導入して、外注を軽減したい一心で申請を出しました。
申請が通ったポイントは、自分事のように一緒に考えてくれる商工会の経営指導員の的確なサポートだったと思います。「とにかく書類に空白をつくらないように。とにかく書いてほしい。」というアドバイスを受け、自分の思いを書類に込めました。また、売上をグラフ化するなど、「見やすさ」を意識して書類を作成したことも採択されたポイントだと考えます。
堀山 英輔さん(株式会社堀山自動車工業所 取締役)
株式会社堀山自動車工業所
車検整備・一般整備・新車販売・中古車販売・自動車板金・自動車保険事業を展開
店内のトイレを改修し、訪れる人を快適にもてなす空間に
「小規模事業者持続化補助金」の事は、商工会の人や会議などで話を聞きました。
私が和菓子屋を営む城崎は、年間500万人の観光客が訪れる温泉街で、特に最近は外国人のお客さまが急増しています。
お店での滞在を快適にすることで、お客様により長く滞在してもらえればと考え、店内のトイレの改修に「小規模事業者持続化補助金」を使いました。併せて、浴衣を着た外国人の方に対し、トイレのわかりやすい使い方の案内表示などにも工夫をしました。
改修後は、外国人の方に限らず多くのお客さまに「親切なトイレ」として快適にお使いいただいています。勿論、トイレだけの効果ではないと思いますが、おかげさまで売上も順調に伸びています。50万円という使いやすい金額だったことも「せっかくなので応募してみよう」と行動の後押しになりました。
申請書類のポイントは、「目的を明確にすること」と「商工会のアドバイスを受けること」、この2点だと私は考えます。
久保田 一三さん(有限会社みなとや商店 代表取締役)
江戸時代に旅館業として創業。明治時代以降は和菓子・伝統工芸品・お土産処として多くの人々に愛され、現在に至る。「良い品物をお客様に」がモットー。
►みなとや
東京でのイベント出展が成功し、売上もアップ!
商工会で経営計画支援をお願いしていた時に、
「小規模事業者持続化補助金をとってみないか」と紹介されて知りました。当時、東京で行われる商品展示会への出展の話をいただいていたので、その出展に関わる費用とそれに合わせたホームページの改修にこの補助金を活用しました。「小規模事業者持続化補助金」を使って、出展に向けて準備をした結果、東京の展示会では3位という結果を残すことができ、結果的に売上アップに結び付けることができました。「小規模事業者持続化補助金」は額も大きすぎず、目的に合わせて使いやすいのではないかと感じています。
申請が通ったポイントは、経営計画支援の専門家の先生に書類を見ていただいたことだと思います。書類の内容を深めたことでアピールでき、採択につながったのだと感じています。
中西 孝之さん(株式会社かさや 代表取締役)
年間5万人が訪れる体験型観光園「しい茸ランド」を運営。原木椎茸の収穫体験、バーベキュー等が楽しめる。
関連キーワード
倉知 真由美さん(リトルピアニスト 代表)
平成26年(2014年)4月に創業。ピアノ演奏に特化したピアノシューズの企画・開発・販売を行う。公式サイトでのネット販売の他、全国40店舗のヤマハ・カワイ・大型楽器店で販売。
中山 健太郎さん(晴雲酒造株式会社 代表取締役)
明治35年(1902年)に創業。
「関東灘」として清酒業界に知られる埼玉県小川町にある日本酒の製造元。