vol.7-2 「確定検査」は事前の準備が肝心!-前編
中小企業・小規模事業者の支援策として様々な「補助金」がありますが、当然ながら採択されて終わりではありません。
補助金の交付を受けるためには、採択された事業(補助事業)の実施終了後に「確定検査」を受ける必要があります。
では「確定検査」とは、どのようなものなのでしょうか。また、何が必要なのでしょうか。
補助金虎の巻 Vol.7-2では、「確定検査」対策をご紹介します。
補助金虎の巻 Vol.7-2では、「確定検査」対策をご紹介します。
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補助金を受け取るまでに行われるアクション
まず、補助金に応募して、実際に補助金を受け取るまでの一般的な流れを確認しましょう。
※リンクが張られている単語は、ページの下方に用語説明があります。クリックをすると、ページの下方に移動します。1) 応募申請・審査・採択決定
2) 交付申請⇒交付決定
3) 補助事業実施
4) 補助事業終了
5) 補助事業実施報告書、および使用経費に関する支払証明書類の提出
6) 確定検査【今回はこの項目についてお伝えします】
7) 補助金額確定
8) 補助金額請求
9) 補助金入金補助金を受け取るまでの一般的なプロセスについては 「補助金を探す」に詳細がありますので、こちらも確認しましょう。
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確定検査とは?
補助金額を確定させるためには補助事業終了後に、この「確定検査」を受けることとなります。
確定検査とは、
▼事務局が申請内容どおりに補助事業が実施され、経費が適正に支出されたかを確認(チェック)することです。
▼提出された実績報告書の内容を確認し、必要に応じて現地調査・ヒアリングを行います。【確定検査での確認(チェック)内容】
○そのお金が正しく使われているか。
○補助金の事業目的に合っているのか。
○採択した補助事業が計画通り進んでいるのか。
○当初予定とのかい離はないのか。 などを確認(チェック)します。この「検査」を受け、補助事業が適正に行われたと認められると、補助金額が「確定」します。
(金額が確定すると、補助事業者には補助金額確定通知が送られます。) -
なぜ「確定検査」を受検しなければならないの?
補助金は「国のお金(税金)」です。
「国のお金(税金)」の使い方として、無駄使いの有無や、税金を投じた事業の有効性・効率性などの確認とともに、「法令や予算に基づき適正に使用されているか」という確認が極めて重要なため、「確定検査」を受検する必要があります。【参考】 ~確定検査を実施する事務局の視点~
確定検査を行う検査員は、『国から預かったお金が、「正確に」「公平に」「経済的に」使われているのか』を考えて、検査にあたります。
事業目的や当初計画から逸脱した使用がされた場合には、当初予定していた金額「交付決定額」から減額(全額もしくは一部)され、「執行金額」として支払われることになります。 -
「確定検査」に向けて【何が】【いつ】必要なの?
事前準備1:心構え
補助事業終了後に提出する「補助事業完了報告書」とともに、「使用経費に関する支払証拠書類」を提出し、確定検査を受検することとなります。
補助事業実施中の「使用経費に関する支払証拠書類」などが検査の対象となりますので、補助事業実施中から支払証拠書類をそろえ、効率的な確定検査を行うようにしましょう。事前準備2:「何が」必要なの?~そろえなければならない支払証拠書類~
そろえる支払証拠書類は補助事業毎にある交付規程などで確認することが必要です。
下記の書類は、原則、「確定検査」を受検する際、必要となる支払証拠書類です。1) 仕様書
見積書を取得するために補助事業者が必要とする商品・サービスの内容(数量、仕様、納品予定日等)を取引先に伝える書類です。2) 見積書
仕様書に合わせ【複数社】から見積りを取り寄せ、価格の比較をします。
※ホームセンターなどで物品購入をした場合で、事前の見積取得が困難な場合には価格比較サイトなどを利用して市場価格を調べ、その結果を出力し、経済性を立証することで、その費用が認められる場合もあります。(交付規程や担当補助事業事務局に事前確認をすることをお勧めします。)3) 発注書(または契約書)
取得した見積書をもとに仕様の確認を行い、最も安価な発注先を選定し、発注書または契約書を発行します。4) 納品書
納品時に、納品物を検収(発注書などの仕様と照合)し、納品書を受け取ります。5) 請求書
納品された商品の(実際にかかった金額の)請求書を受け取ります。6) 領収書(または入金確認書)
支払後に領収書または入金確認書を受け取ります。事前準備3:「いつ」必要なの?~支払証拠書類をそろえるべきタイミング~
補助事業の実施期間とは、「交付決定日」から「補助事業終了日」を指します。確定検査は、この期間内にかかった経費を検査します。
「補助対象期間外」の発注、および支払(領収書取得)は「補助対象外」となり、補助金を受け取ることが出来なくなります。【ポイント①】補助事業の実施期間内に、(1)仕様→(2)見積→(3)発注→(4)納品→(5)検収→(6)請求書受領→(7)支払の手順によって処理を行いましょう。
【ポイント②】「交付決定日」以降に「発注」しましょう。
【ポイント③】「補助事業終了日」までに「支払(領収書の取得)」をしましょう。 -
用語について
①申請とは
事業者(みなさま)が、補助金を申し込むことです。補助金を希望する事業の内容・必要な費用・実施の効果についてまとめ、申請書という形で事務局に提出します。②審査とは
事務局が申請書をもとに、補助金の交付を受けるのにふさわしい内容かどうかを審査委員会などを通じて審査します。③採択とは
事務局が補助金の交付を受ける事業者を選ぶことです。申請のあった全事業者に採択か不採択の結果を通知します。④交付とは
補助金を受けることが決定した事業者が、必要な経費などを申請します。
それが事務局に受理され、交付決定通知書の記載内容で補助金が受けられる補助事業内容、費目と金額(概算)が決まります。⑤実施とは
補助事業者が、申請した内容で補助事業を実施することです。
途中で補助事業が問題なく進行しているかの、事務局による中間審査(監査)や状況報告などを行う場合があります。⑥報告とは
補助事業の実績について、どんなことをしたか、どういう効果があったかを写真や文章で報告する報告書を補助事業者が作成することです。
また、補助金の対象となる経費についての支払い実績のわかる領収書、契約書や証拠書類などの支払証明書類(取引の成立を立証する書類)の用意も必要です。⑦検査とは
事務局が申請内容どおりに補助事業が実施され、経費が適正に支出されたかをチェックします。
提出された実績報告書の内容を確認し、必要に応じて現地調査・ヒアリングを行います。⑧確定とは
補助事業が適正に行われたと認められると補助金額が決まります。
補助事業者には補助金額確定通知が送られます。⑨請求とは
補助事業者が、補助確定金額を事務局宛てに請求することです。⑩入金とは
補助事業者の指定口座に、事務局が請求された金額を入金することです。