中小企業・小規模事業者のための人手不足対応100事例
人材・採用早わかりガイド
4つのステップで人材活用のポイントをしっかりキャッチ!
人材活用の4つのステップ
「人材活用」は個々に人格・意志を持つ、「ヒト」という経営資源をマネジメントすることです。
そのため、「ヒト・モノ・カネ・情報」という経営資源の中で、他の資源と比べてもとても難しい分野であるといえます。
企業の継続的な成長のためには、優秀な人材を獲得し、また既存の社員が自身の持つ力を最大限に発揮できるような環境を整備することが非常に重要です。そこで、ここでは多岐にわたる「人材活用」について「採用」「育成」「定着」「労務管理」の、4つのステップで簡単にご紹介します。
ステップ1 採用
企業の成長にとって非常に重要な活動である人材採用。成功に導くためには、まず「採用活動の目的」と「採用すべき人材の要件」を明確化することが重要です。「採用の目的」と「採用すべき人材」の要件が決まったら、応募者を集める「求職者の募集」が次のステップです。
求職者の募集にもさまざまな方法があり、たとえばハローワークへの求人広告の掲載や、人材エージェント会社の活用等があげられます。採用のコストやスケジュール、そして目的等を総合的に勘案して、最適な募集方法を選択していきましょう。選考の内容やフローについても、採用の目的に即して企画・設計することが、採用目的に適った人材の確保には非常に重要な要素です。また、人材採用に関する補助金・助成金等も整備されていますので、こうした補助金・助成金等を活用しながらコストを抑えた活動も検討してみましょう。
「採用」に関する主な業務
- 採用要件定義
- 求職者の募集
- 選考
- 内定者フォロー
- 入社手続き
ステップ2 育成
社員の能力を最大限に引き出し、高い成果を発揮させるためには、「人材育成」が必要不可欠です。
人材育成は、大きくOJT(職場内訓練)とOff-JT(職場外訓練)に分かれます。OJT(職場内訓練)は、職場内で上司・先輩が日常の業務・仕事を通じて必要な知識・技能を教育することで、逆にOff-JT(職場外訓練)とは実際の仕事や職場を離れて、主に集合研修等で教育を行うことを指します。
人材育成においては、OJT(職場内訓練)とOff-JT(職場外訓練)をバランスよく組み合わせて実施することが非常に効果的です。また、育成を通じて社員の能力・適性を正しく見極め、社員のキャリアプランにも配慮した上で、適切な配置転換を行うことも人材育成の観点から重要と言えます。
「育成」に関する主な業務
- 育成プラン策定
- OJT(職場内訓練)
- Off-JT(職場外訓練)
- キャリアパス設計
- キャリア管理
ステップ3 定着
どんなに優秀な人材を採用・育成したとしても、社員が定着しなければ組織力の向上にはつながりません。近年では、労働者の価値観も多様化しています。そのため、社員の定着率向上のために、多種多様な支援制度に取り組む企業が増えています。
たとえば、報酬制度の見直し、組織風土や職場環境の見直し、育児・介護との両立支援、福利厚生制度の拡充等…社員個々人のキャリアプランやライフスタイルに沿った仕組み・制度を検討しましょう。
「定着」に関する主な業務
- ワークライフバランス
- 復職支援
- 報酬・インセンティブ
- 福利厚生
- 表彰制度
ステップ4 労務管理
企業には、勤怠管理・給与計算等の労務管理を労働関連法規を遵守しながら、適正に実施していくことが求められています。コンプライアンスに関する労使トラブルも近年、増加傾向にあります。労務管理に関する業務をすべて自社内で抱えるのではなく、専門家や専門のアウトソーシング会社ともパートナーシップを組みながら、効率的に実施するのがよいでしょう。
「労務管理」に関する主な業務
- 人事考課
- 勤怠管理
- 給与計算
- 社会保険
- 企業年金
- 健康管理
- メンタルヘルスケア